2020年1月の記事一覧
令和元年12月号
ロボットプログラミング選手権大会に参加しました。この大会は,小学校で来年度から「プログラミング教育」が始まるのを前に,特別支援学校の児童生徒に活躍の場を作ろうと,全国特別支援学校病弱教育校長会が初めて開いた大会です。大会は,全国を5ブロックに分けて,年内に地区大会を実施し,来年1月24日に全国大会を行う予定です。
北海道・東北地区大会は11月20日に行われました。北海道の支援学校2校と西多賀支援学校の3校4チームが参加しました。本校高等部からの参加者のKKさん,SHさんのプログラミングのデータを北海道の八雲養護学校に送り,インターネットのテレビ電話システムでロボットによる相撲大会を観戦しました。対戦への緊張とテレビ電話システムを初めて利用することから,二人とも表情がややこわばっていましたが,優勝という結果がでたときには笑顔で静かに喜んでいました。
本校は支援学校です。児童生徒の実態は多様であり,効果的な指導を行うための工夫は必要不可欠です。今回は,この様々な工夫を紹介します。すべてを紹介することはできませんが,実際の指導に触れていただければ幸いです。
高等部Aコース自立活動
高等部Aコース生徒の自立活動では,視線入力に取り組んでいます。手足が思うように動かせなかったり,言葉で伝えることが難しかったりする生徒にとって,視線は自分の気持ちを伝える重要な手段となります。パソコンに視線入力装置を取り付けることで画面上のどこに視線を向けているかが表示され,動画に出てくるキャラクターを目で追う学習や,複数の画像の中から好きな画像をじっと見ることで選択する学習などを行っています。視線で文字を入力したりパソコンを操作したりすることもできるので,今後も様々な学習の場面で取り入れていきたいと考えています。
高等部体育科
高等部体育科では,生徒の実態を考慮し角形のペットボトル二つをつないだラケットを用いて,ゴロで打ち合う卓球を行っています。シングルスやダブルスはもちろん3対3でも行える上に,バレーボールの要素を盛り込みパスやブロックを行うこともできます。反射角を利用して見方のラケットに意図的に当てる攻撃も有効です。本校では「ローリング卓球」と命名しスリリングな試合を楽しんでいます。
音楽科
【ピアノの構造】の授業では,ピアノのふたを外して音の出る仕組みを学びました。内部をのぞき込む姿勢をとるのが難しい生徒も,iPadのカメラ機能を使ってピアノの奥までじっくり観察することができました。
【箏】では,ギター用の爪をペン先に付けたものを口にくわえ,上手に演奏する生徒がいます。演奏しやすい高さに箏を持ち上げることで,演奏を楽しむことができます。
【ヴァイオリン】の弓をにぎることが難しい生徒は,弓を手に固定する工夫をします。100円で購入できる,椅子の足カバーと面ファスナーテープでしっかり固定すれば,教師が手を添えたりせずに自分の力で弓を動かし演奏することができます。
本校では県立精神医療センターの児童生徒にも授業を行ってます。毎週,月曜と木曜の午後,入院している児童生徒の学習支援のため、本校教員がこのセンターを訪問しています。
センターには学習室があり、学習支援に参加する数名の児童生徒がほぼ1対1の形で教員と一緒に勉強しています。
いろいろな制約があるため、この学習支援は週2回、それぞれ1時間だけです。センターを退院する時に「入院中も学校の勉強を続けてきた」という自信のようなものを持ってもらいたい,と願い訪問しています。