紅堂

令和2年1月号

「予測困難な時代」 校長 菅原 信治

 新年最初の紅堂です。今年もよろしくお願いします。昨年は,本校の様々な教育活動に対しまして多大な御支援と御協力を賜り,心より感謝申し上げます。
 令和2年(2020年)が始まりはやいもので1月も後半となりました。2月のカレンダーを見ますと4年ぶりに29日があり,1日得した気分になりました。今年は閏年,そして2020東京オリンピック・パラリンピックの年です。小職にとりましては,人生2度目のオリンピックです。ですが前回の東京オリンピックは1歳で記憶にもありません。今回は,世界中のアスリートが東京に集い競い合う姿を思う存分観たいと思います。
 さて,前回の東京オリンピックは昭和39年(1964年)10月10日に開催されました。その56年後に再び東京でオリンピックが開催されることを誰が予想し得たでしょうか。それも,パラリンピック(第1回は1988年ソウル大会)という障害のある人たちがスポーツで競い合うことなど予測不可能であったと思います。経済が発展し,社会の考え方が変わり,障害に対する概念も変化しました。守られる存在から社会で活躍することができる人,と理解されてきています。「障害は人にはない,障害は社会にある」との考えも広がりました。このような変化の背景には少なからず,特殊教育や今日の特別支援教育も寄与しているものと私は考えています。その特別支援教育がさらに変化を遂げるのも今年です。小学校・特別支援学校小学部は令和2年度から,中学校・特別支援学校中学部は翌年令和3年度,高等学校・特別支援学校高等部は令和4年度から新学習指導要領の完全実施となります。新学習指導要領では障害者の権利に関する条約をはじめとする関係法規の理念に基づき,インクルーシブ教育が色濃く反映されております。また,学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして,明るい未来を,共に創っていきたい。2020年度から始まる新しい「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。(文科省HP引用)
 たとえば,スマートフォンがこんなにも普及し,便利に使えると10年前に思い描いていたでしょうか。スマートフォンがあれば電車にも乗れるし,買い物でお金も支払えます。カメラにもなればメモ帳にもなる。スケジュールを管理してくれて,予定の時間が近づくとアラームで知らせてくれます。地図ソフトを使えば迷わず目的地に連れて行ってくれます。映画や新幹線のチケットでさえスマートフォンから予約購入ができます。
 本校においても予測困難な新しい時代,新しい学習指導要領のもと,社会の変化や時代に対応した教育課程・教育内容を編成し実践します。2学期制に移行したのもその一環です。ICT機器が多く授業に取り入れられ,新しい学びの形が児童生徒の個性に応じて準備されるようになってきております。これから始まる児童生徒一人ひとりのかけがえのない学校生活を,わたしたち教職員は全力でサポートしていきます。

 

 

 三学期始業式を行いました。

 南1-2病棟でもベッドサイドで始業式を行いました。師長さん・看護師さんのご協力で行うことができました。ありがとうございます。児童生徒は,新年の抱負を抱きながら笑顔で始業式に参加していました。本校では複数の教育課程で児童生徒の学習を展開しています。それぞれの内容は異なりますが,西多賀支援学校の児童生徒として一生懸命学習に取り組んでいます。三学期はその学年の最後の学期です。今年も自己の目標に向かって学習を進めて行くことでしょう。充実した1年にしてください。

 

 校内書き初め展に向けて,児童生徒は,書き初めに取り組んでいます。お手本を見ながら,どのように筆を動かせば良いか先生から指導を受けています。素晴らしい作品ができあがることでしょう。
 校内書き初め展は1月22日から2月6日まで,西多賀病院と西多賀支援学校を結ぶ連絡通路で開催致します。是非ご覧ください。