紅堂

学校だより「紅堂」

令和2年9月号

 

 

 

 

短い夏休みが終わりました

 8月1日(土)から8月19日(水)までの19日間というこれまでにない短い夏休みが終わりました。みなさんはどのように過ごしたでしょうか。感染症や暑さもあり,外には出掛けずゆっくり過ごすことが多かったことと思います。8月20日(木)に,夏休み明けの全校集会がオンライン中継で行われました。残念ながら,西多賀病院の入院生は8月1日からの病棟閉鎖で登校できませんでしたが,教頭先生のお話や小学部からの文化祭ポスターの連絡を各教室で視聴しました。「新しい生活様式」にも少しずつ慣れてきたところですので,引き続き感染対策,暑さ対策を行い教育活動を進めていきたいと思います。

 

シリーズ「授業の様子」 中学部「文化祭のポスター作り」

 中学部では文化祭のポスター作りに取り組みました。まずは文化祭の合い言葉「心の中で手をつなごう」をイメージして,虹色の輪つなぎ作りにチャレンジしました。体の動きによって色づくカメラアプリで紙を虹色に色づけした後,電動ばさみ等を使って短冊状に切りました。その後もスタンプや花紙など様々な道具や材料を使い,意欲的に制作活動に取り組みました。中学部二人で協力して,一つのすてきな作品を作り上げることができました。

 

9月の予定
  1日(火)~4日(金)教育実習
  2日(水)朝会,耳鼻科検診
  3日(木)医ケア巡回指導医訪問
       作業療法士来校
  4日(金)教育実習最終日
  8日(火)児童生徒文化祭実行委員会
  9日(水)音楽療法士来校
 11日(金)眼科検診
 15日(火)児童生徒文化祭実行委員会
 16日(水)音楽療法士来校,歯科検診
 21日(月)敬老の日
 22日(火)秋分の日
 25日(金)スクールカウンセラー来校
 30日(水)校内ステージ発表
*新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況により,予定を変更する場合があります。

10月の予定
  1日(木)午前授業
  2日(金)文化祭
  6日(火)~7日(水)介護等体験防災訓練
  8日(木)児童生徒文化祭実行委員会
       医ケア巡回指導医訪問
  9日(金)第1学期終業式,午前授業
 12日(月)秋季休業日
 13日(火)第2学期始業式,午前授業 
 14日(水)~15日(木)介護等体験 芸術鑑賞会
 15日(木)(高)月曜の授業
 21日(水)(高)後期進路体験週間計画発表会
 23日(金)高E校外学習
 26日(月)~30日(金)後期進路体験週間
 29日(木)小5,6年修学旅行

 

コラム「~感染症とともに生きる~」 スクールカウンセラー

 新型コロナウイルスの流行に伴い,ご心配や気苦労の多い時間を過ごされていることと存じます。春には学校が休業となり,「緊急事態宣言」が出るなど,これまでに経験したことのない事態が起きました。その後,しばらく宮城県でも感染者ゼロの日が続いていましたが,感染者の数が再び報告され始め,安心しきれない状況です。刻々と変わる事態に戸惑いを感じたり,「新しい生活様式」にご負担を感じたりしている方もいらっしゃるでしょう。今回の感染症の特徴的なことは,自分が感染する可能性と,自分が知らずに感染源になる可能性がともにあることです。心の持ちように迷う,怖れを抱くのも無理のないことです。

 「正しく怖れる」という言葉をよく耳にしますが,どういうことなのでしょう。災害時など特別な状況下では「まさか,自分には起こらないだろう」「大丈夫だろう」という気持ちになることがあります。これは災害など,受け入れにくい状況を過小評価してしまう心理で,『正常性バイアス』といわれる偏った捉え方です。不安に振り回されることを防ぐ,心の防衛機能であり,誰にでも起こりえることです。ただ,『正常性バイアス』の状態では,自分や他者を守る行動につながらず,互いを危険にさらす心配があります。対処法としては,人には『正常性バイアス』という心理が働くことを知り,「大丈夫」と思う心理は,「もしかしたら『正常性バイアス』によるものかも?」と,一度落ち着いて判断することです。そのことで,危険から守る行動につながります。
 一方で,不安や心配がストレスとなり,調子を崩すこともあるかもしれません。イライラする,眠りづらい,些細なことに敏感になるといったことがあれば,危険に備え,心がアンテナを張りっぱなしの状態です。また,疲労感が抜けない,元気が出ないなどのときは,頑張ってきた証といえるでしょう。でもこの状態が続くと,しんどく,自分らしい力を発揮しづらいです。対処法としては,自分にご褒美の時間を設けたり,リラックスしたり,「私はよくやっている」と労うことをお勧めします。三密が避けられれば,マスクを外し,思いっきり深呼吸もいいでしょう。そして,一番のお勧めは,話しをしたり,愚痴を言ったり,誰かとつながることです。物理的に距離を置く必要があったり,考え方に温度差があったり,つながりづらい状況下ではあります。離れていても心が寄り添い合う関係,互いの考えを尊重し合えるような関係では,ほっと心の息抜きとなるでしょう。身近に,なかなかそういった相手が見つからない時には,相談機関の利用もお勧めします。
「正しく怖れる」といっても,心は常に一定ではなく揺れ動くものかもしれません。でも,自分の心を見つめたり,リラックスして肩の力を抜いたりすることで,冷静で自分らしい判断に近づけられることはできます。未曾有の事態の前では,誰しも無力感を感じがちかもしれませんが,「今,できることはなんだろう」「今,できていることはなんだろう」「これから,できそうなことはなんだろう」と問いかけてみてください。一見些細にみえる行動であっても,自分や大切な人,または見知らぬ誰かの助けとなり得る,大きな一歩になると私は思います。

 

<リラックス法Ⅰ~呼吸法~>
① 3秒間かけて,鼻からゆっくり息を吸います。
② 2秒間,止めます。
③ 5秒かけて,口からゆっくり息を吐き出します。(吐く時間を長めに「フ~」と。「もやもやした気持ちよ,さようなら」など心の中で唱えられたら,なお効果的です。腹式呼吸が効果的ですが,難しいときにはゆっくりとした呼吸を意識してください。これを5~10回ほど繰り返します。)
<リラックス法Ⅱ~肩の上げ下げ~>
① 両肩を耳の方向にギューと,ゆっくり上げます。
② ストーンと肩の力を抜きます。(このときに,肩の力がじんわりと抜けた感じをよく味わってください①②を3~5回ほど繰り返します。肩を上げるときは,痛いところまでがんばらず,いた気持ちいいぐらいのところまで上げて,少し,その感覚を味わってから肩の力を抜くと,より抜けたときのリラックス感があります。)